アルミ溶接(アルミニウム溶接)
Beforeアルミ材の特徴とアルミ溶接時の問題点を下記に示します。
アルミ材の特徴
◎アルミは溶融点が476〜638℃と非常に低い。
◎アルミは強固な酸化皮膜を形成している
◎アルミは熱伝導率が121.0w/m・kと非常に高い。
◎アルミは強固な酸化皮膜を形成している
◎アルミは熱伝導率が121.0w/m・kと非常に高い。
物性値 |
純チタン(TP340) |
チタン合金 (Ti-6AI-4V) |
普通鋼 (SPCC) |
ステン レス (SUS304) |
アルミニウム合金 (A5052P) |
マグネシウム合金 (AZ31) |
銅 (C1020-0) |
融解点 (℃) |
1,668 |
1,540〜 1,650 |
1,530 |
1,400〜 1,427 |
476〜638 |
630 |
1,083 |
密度 (g/cm3) |
4.51 |
4.43 |
7.90 |
7.90 |
2.80 |
1.77 |
8.93 |
熱膨張係数 (10-6/K) |
8.4 |
8.8 |
12.0 |
17.0 |
23.0 |
25.0 |
17.0 |
熱伝導率 (W/m・K) |
17.0 |
7.5 |
63.0 |
16.0 |
121.0 |
159.0 |
385.0 |
比熱 (J/kg・K) |
519 |
585 |
460 |
502 |
662 |
1,004 |
385 |
電気伝導率 (%対Cu) |
3.1 |
1.0 |
18.0 |
2.4 |
30.0 |
40.0 |
100.0 |
電気比抵抗 (μΩ・m) |
0.550 |
1.702 |
0.097 |
0.720 |
0.058 |
0.043 |
0.017 |
ヤング率 (Gpa) |
106.3 |
113.2 |
205.8 |
199.9 |
71.5 |
44.8 |
107.8 |
問 題 点
●アルミ本体の溶融点は638℃と低いものの、酸化皮膜の溶融点が
約2,000℃であるため、通常では酸化皮膜が溶ける前に
アルミ本体がとけてしまう。したがって、アルミ溶接時は酸化皮膜を
除去しながら溶接を行う必要があり、手間とコストがかかる。
電子ビーム溶接におけるアルミ溶接
◎高密度ビームで溶接をおこなうため一気に酸化皮膜を溶かすことができ、
酸化皮膜を考慮しないで溶接が可能です。
したがって、電子ビームでアルミ溶接を行うと、
通常の溶接よりも生産性が高く、高精度な溶接が可能です。
◎高密度ビームにより十分な溶接深さが得られ、
厚肉のアルミでもワンパスで溶接が可能です。
なお、レーザー溶接ではクラックが出てしまう薄物のアルミでも、
電子ビーム溶接では真空中で溶接を行うため、クラックが発生しにくい溶接方法です。
アルミの切削加工から溶接まで一貫して対応可能です